怖い話に関する件:金縛り

自由帳

都市伝説についてニコ生でやるなら怖い話もやれ、という厳しいご指摘から。

他にもいくつかあるが、実際文章にするとなると難しい。

不完全燃焼な内容だが、リアルだから仕方ない。


ある夜のこと。

アパートの部屋で寝ていると、急に肩をたたかれる感覚で目が覚めた。

時間はわからない。

あ、もしかして金縛り??

不謹慎ながら、恐怖とともに興奮を抑えられなかった。

小さい頃から心霊とかオカルトが大好きで、ずっとこういう現象に憧れていたからだ。

ようやく体験できるのか!、と、次に何が起こるかワクワクしていた。

だから、そんな軽い感じで金縛りという現象を堪能しようとしていた。

と言うのも、大人になり、金縛りというのは入眠時などに起こる科学的現象だと知っていたからだ。

よって、危険なことは何もないと高をくくりながら、軽く部屋を見渡してみたりもした。

ロフトで寝ているから、部屋を見渡すのは容易だったが、特に異変は見られなかった。

その頃にはもう目は完全に覚めていて、ただただ全身の感覚を研ぎ澄まして次を待っていた。

もちろん全然怖くないかというとそうではないが、目が覚めてしまえばどうということはないとわかっていたからだ。

だが、万が一のことも考えた。

泥棒などではしゃれにならない。

足音は?、と、耳を澄ませても何も聞こえない。

何か息づかいは?、と、耳を澄ませても何も聞こえない。

というのも、私の部屋はゴミ部屋で、一切の足音なしに部屋を移動することなど出来ないからだ。

よって、誰か人間が私の部屋へ侵入するとすれば、明らかな騒音が生じるのだ。

冷房の音だけが響く。

いくら息をこらしても、その他には何も聞こえてこなかった。

そうかい、そんなものか、と、思いながら、再び眠りにつくことにした。

だが、再び肩をたたかれて目が覚めた。

さすがに怖かった。

金縛りっていうのは、一晩に何度もあるものなのか?、と。

恐る恐る部屋を見渡してみた。

窓から入ってくる月明かりに照らされる部屋には、何の異変もなかった。

最初の時からどの程度時間が過ぎていたとかはわかるよしもない。

結局、起きていても仕方がない、と、再び眠りについた。

そんな時、夢か現実か、がさっ、という音を聞いたような気もしたが、眠さが勝った。

朝。

昨日の夜は面白い経験をした。

それが純粋な感想だった。

が、朝起きて目についたのは、崩れたゴミの山の姿だった。

おかしい。

そう思いながらも、適当に積み上げた山が勝手に崩れるのはおかしくはない。

そう自分を説得しつつ、他に異常がないかを調べるも、特にそう言ったことはなく、胸をなで下ろした。

デスクに置いたままの財布も無事だし、定期として使っているビューカードも無事だった。乱雑に置いていた紙幣も同じだった。

シャワーを浴び、着替え、スマホ、定期と準備をし、出勤しようとドアのところへ来たとき、玄関の鍵がないことに気がついた。

デスクの上かな?、と、考えながらも、スペアの鍵を手にしてロック回し、ドアを開けた。

外に出て、鍵を閉めようとしたとき、絶句した。

例の鍵がシリンダーに刺さったままだった。

これは、たまにやらかしてしまうことなのだが、すると昨日の夜の出来事は何だったのか。

確かめる余地はない。


これの続き。

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