学生(工学系)のとき、何の授業だったか忘れたが、妙に教授(准教授か?)に当てられて質問に答えさせられたり、教科書を読むよう言われた日があった。
その内容は単位について。すべて気圧に関する単位。
例えば、台風の気圧の単位はヘクトパスカルだが、ヘクトパスカルになる前の単位は何か、など。
答えは「ミリバール」で、調べてみると1992年12月にヘクトパスカルへ変更されたらしい。
つまるところ、現在の気圧の単位はSI単位系のパスカルを用いる。ヘクトは、100倍という意味。
そのため、ミリバールは使われず、[mmHG]も血圧を測るような場面以外では使われない。
参考
国際的に単位を揃える
なぜ気圧の単位「mbar(ミリバール)」が突然「hPa(ヘクトパスカル)」に変わったのか? – ウェザーニュース
なぜ単位が変わったのかというと、国際単位系では気圧の単位が「mbar」ではなく、「hPa」だったからです。「国際単位系」は国際的に各種の単位を揃えようと1954年に国際度量衡(どりょうこう)総会で決めたものですが、日本の気象業界では長年の慣習で「mbar」を使っていました。
歴史的な由来
mmHg – Wikipedia
かつては、水銀柱ミリメートルの定義は「高さ1ミリメートルの水銀柱が与える圧力」であった。そして水銀柱ミリメートルとトルは同じ値となるよう定義されていた。現在では日本において、水銀柱ミリメートルとトルの定義は完全に同一である。上記の歴史的定義はその後廃止され、現在では定義の項にあるとおり、パスカルによって直接に定義されている。
私は1986年生まれなので、ギリギリ聞いた記憶があったから難を逃れることが出来た。
ちなみに、私は2年遅れて大学入学で、その授業は再履修で、結果、歳でいうと3年下の人たちと授業受けていた。
3年下となると、1989年生まれである。
1992年時点では3歳かそこらということになる。
ここに、この教授のいやらしさを見ることが出来るだろう。
それから教科書を読むよう指示された。
[mmHG]という単位が出てきたとき、今まで口に出して表現したことがないな…と困惑した。
苦肉の策で「水銀柱高さ」と読み上げたが、これはおそらく間違いであるから、どういう指摘が来るかビクビクしていたことを強く覚えている。
嫌みが上手なのである。
だが意外なことに、教授はこれをスルー。しかし未だにこの件が頭をよぎることがある。
「水銀柱高さ」という読み方は本当に実在するのか?正しかったのか?という事。
そして現実的な話として、[mmHG]には複数の読み方があるようだから困惑は消えない。
検索してみると、「ミリメートルエッチジー」「水銀柱ミリメートル」「ミリメートル水銀柱」あたりが出てくる。
件の「水銀柱高さ」は、単純に上記の説明のために出てくるのみ。
複数の読み方があるのだから、伝わればよいだけなのか?とも思うが、どうしても納得がいかない。
だいたい、[mmHG]なんてSI単位系でもなく、普段口頭でやりとりしない単位を読ませようというところにも嫌らしさがある。
指摘がなかったから正解なのか、教授自身も「水銀柱高さ」に“それっぽさ”を感じたのか、今となっては確認するすべはない。